親が老人ホーム等の施設に入居する時に行う不動産売却の注意点

高齢化に伴い、親が老人ホーム等の施設に入居することも多い最近ですが、不動産関係による親の老人ホーム等入居について、注意する必要がございます。

親がこれから老人ホーム等に入居する若しくは既に老人ホーム等に入居している人の中には、下記事項で心配されている方も多いかと思います。

・親が老人ホーム等に入った後の注意点を知りたい

・親が老人ホーム等に入った後の家はどうしたら良いだろうか

・親が老人ホーム等に入ると税金の特例が使えなくなるのか知りたい

そこで親が「老人ホーム等」に入居した場合の不動産の主な注意点を解説したいと思います。

 

 

Ⅰ.老人ホーム等入居と空き家の関係

不動産を売却し、売却益が生じると所得税が発生いたします。

また相続した場合には相続財産が基礎控除額以上である場合は相続税が発生いたします。

ただし、売却したときの所得税や相続したときの相続税は、全ての不動産に課税されるわけではございません。

自宅などのように生活の基盤となるような不動産の場合には、税金負担が重くならないような様々な特例がございます。

不動産の税制においては、マイホームを売却した場合や相続した場合に、あまり税金がかからないようにするための制度設計がなされています。

親の不動産であっても、居住用財産としての要件を満たしているものであれば、所得税や相続税が発生しないケースや軽減されるケースがございます。

親が老人ホーム等に入って空き家となった場合、一定の要件を超えてしまうとそれが居住用財産とみなされなくなります。

そこで、今回は、売却においてどのような状態になると居住用財産としてみなされなくなるのかその要件を見て行きたいと思います。

 

 

Ⅱ3000万円特別控除

不動産を売却し、譲渡所得(=譲渡益)が発生すると所得税が生じることとなります。

『譲渡所得=譲渡価額-取得費-譲渡経費』

 

親が昔から持っている不動産を売却する場合、取得費が不明なケースも多いかと思います。

取得費が不明な場合には、原則として概算取得費と呼ばれる取得費を用いることとなります。

『概算取得費=譲渡価額×5%』

 

概算取得費を用いた場合や、取得費が小さい場合においては、譲渡所得がプラスとなり、譲渡所得がプラスとなると、所得税が発生してしまいます。

居住用財産(マイホーム)を売却した際に、多額の税金が発生すると、税負担が非常に重くなります。

 

そこで、居住用財産を売却した場合には、3,000万円の特別控除という制度が設けられています。

3,000万円の特別控除を適用すると譲渡所得は、下記のようになります。

『譲渡所得=譲渡価額-取得費-譲渡経費-3,000万円』

∴この特例により譲渡所得がマイナスとなれば、譲渡所得は発生せず、譲渡所得に対する所得税も発生しないこととになります。

 

ただし、不動産が居住用財産とみなされるためには、下記要件を満たす必要があります。

  • 現に居住している家屋やその家屋と共に譲渡する敷地の譲渡の場合
  • 転居してから3年後の12月31日までに、居住していた家屋やその家屋と共に譲渡するする敷地の譲渡の場合(この間に貸付や事業用に供していても適用可)
  • 災害などにより居住していた家屋が滅失した時は、災害のあった日から3年を経過する日の属する年の12月31日までにその敷地だけ譲渡する場合
  • 転居後に家屋を取り壊した場合には、転居してから3年後の12月31日までか、取壊し後1年以内か、いずれか早い日までに譲渡する場合(取壊し後にその敷地を貸し付けたり、事業の用に供したりすると適用外となる)

 

 

Ⅲ. 3000万円特別控除との注意点

3000万円特別控除を受けるためには、上記Ⅱの要件を満たす必要がございますが、ここで、ポイントとなるのが、売却は本人が「転居してから3年後の12月31日まで」の売却であるという点でございます。

この間、第三者に貸付を行っても適用されますが、転居には、老人ホームへの入居も含まれます

 

つまり、親が老人ホームに入居した後に、3年後の12月31日を超えた段階で売却してしまうと3,000万円の特別控除が適用できなくなります。

 

親が老人ホーム等に入居した後に、空き家となってしまった家を売却する場合は、入居から3年後の12月31日までに売却しないと思わぬ税金が発生する可能性がございますので、くれぐれも注意が必要となります。

 

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