令和3年度税制改正予定である税務関係書類の押印廃止とは!?

新型コロナウイルスの影響による勤務環境の変化により、在宅勤務のためのテレワーク・リモートワークを推奨されている会社がかなり増えております。

それに伴い、仕事の仕方も非対面となり、各種書類への押印手続きも変化しております。

そこで、令和3年度税制改正により、税務関係書類の押印廃止が検討されておりますので、現時点で発表されている情報について、解説いたします。

 

Ⅰ.現状の取扱い

国税の税務関係書類の押印は、国税通則法という法律により、押印が必要となっております。一方で、国税の税務関係書類の提出を電子にて行う場合には、書面提出ではないため、押印不要となっております。ただし、国税の税務関係書類を電子にて提出する場合には、電子証明書が必要となります。

参考のため、国税通則法では下記の通り定められております。

第124条  書類提出者の氏名、住所及び番号の記載等

1 国税に関する法律に基づき税務署長その他の行政機関の長又はその職員に申告書、申請書、届出書、調書その他の書類(以下この条において「税務書類」という。)を提出する者は、当該税務書類にその氏名(法人については、名称。以下この項において同じ。)、住所又は居所及び番号(番号を有しない者にあつては、その氏名及び住所又は居所とし、税務書類のうち個人番号の記載を要しない書類(納税申告書及び調書を除く。)として財務省令で定める書類については、当該書類を提出する者の氏名及び住所又は居所とする。)を記載しなければならない。この場合において、その者が法人であるとき、納税管理人若しくは代理人(代理の権限を有することを書面で証明した者に限る。以下この条において同じ。)によつて当該税務書類を提出するとき、又は不服申立人が総代を通じて当該税務書類を提出するときは、その代表者(人格のない社団等の管理人を含む。次項において同じ。)、納税管理人若しくは代理人又は総代の氏名及び住所又は居所をあわせて記載しなければならない。

2 税務書類には、次の各号に掲げる場合の区分に応じ、当該各号に定める者が押印しなければならない。

一 当該税務書類を提出する者が法人である場合 当該法人の代表者

二 納税管理人又は代理人によつて当該税務書類を提出する場合 当該納税管理人又は代理人

三 不服申立人が総代を通じて当該税務書類を提出する場合 当該総代

四 前3号に掲げる場合以外の場合 当該税務書類を提出する者

 

Ⅱ.税制改正による押印廃止予定の税務関係書類とは

令和3年度税制改正による押印廃止予定の税務関係書類は、主に下記書類が想定されております。ただし、各税目の納税猶予制度による書類や相続税申告書添付書類の遺産分割協議書などの実印や印鑑証明書が必要な書類は、引続き押印が必要となる方向で検討されております。

1.所得税の申告等書類

2.法人税の申告等書類

3.消費税の申告等関係書類

4.相続税や贈与税の申告等関係書類

5.各種税目の届出等

 

Ⅲ.まとめ

国税の税務関係書類の押印廃止が開始されれば、業務効率化は図れますが、当事者間の承認を得ずに税務関係書類が提出される可能性がありますので、当事者間の承認を得たことを証明する書類を用意するなど別途対策が必要となります。ですので、証明資料の件も含めて、今後の税制改正内容を注視する必要があります。

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