前テナントから譲り受けた固定資産の取扱いとは!?

新型コロナウイルス感染症による経済活動が制限されたり、解除されたりの繰り返しが続いております。
そんな中、不動産賃貸業を行っている会社の店子が退去する場合、原則、原状回復工事を行いますが、双方合意があれば、原状回復工事をせず退去することもあります。

そこで、最近お問い合わせがありました原状回復工事をせず退去した場合の貸主による内装工事や備品などの取扱いについて、解説いたします。

Ⅰ.原則的な取扱い

不動産賃貸業を行っている会社で原状回復工事をせず、旧テナントから無料で譲り受けた固定資産がある場合、中古市場で売買されている金額(いわゆる時価)で譲り受けたものとして処理する必要がございます。ですので、無料で譲り受けた固定資産は、時価で帳簿に記載する必要があります。

Ⅱ.例外的な取扱い

自動車やパソコンなど中古市場がある固定資産であれば、時価を把握することが可能ですが、中古市場がない固定資産の場合、時価を把握することができません。そこで、下記算式により計算した金額を時価とすることができます。いわゆる無料で譲り受ける時点での旧テナント側で計上している固定資産の簿価となります。

再取得価額(新品としての取得価額)-旧定率法又は定率法により計算して減価償却費※
※無料で譲り受けるまでの減価償却費の合計額

関連サイト(法人税基本通達9-1-19)
第4款 固定資産の評価損|国税庁 (nta.go.jp)

Ⅲ.まとめ

賃貸物件が飲食店向けなど原状回復工事をせず居抜き物件とする場合は、前テナントから設備・家具・調度品など無償で引き受けることもあろうと思います。
その場合、簿外資産とするのではなく、時価で引き受けたものとして処理する必要がございますので、固定資産の計上漏れに注意が必要となります。

※投稿日現在における情報・法令等に基づいて作成しております。

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