未払計上した決算賞与に係る社会保険料は未払計上できるのか!?

新型コロナウイルス感染症によって引き続き行動制限があるなかで、業績が悪化する会社がある一方、新型コロナウイルス感染症の影響を受けずに業績がアップし、従業員へ決算賞与を支給する会社もあろうかと思います。

そこで、最近お問い合わせがありました決算賞与を支給する場合の社会保険料の取扱いについて、解説いたします。

Ⅰ.決算賞与の損金算入時期

利益が出ている会社では、決算対策として従業員への決算賞与を未払計上する場合がございます。例えば、3月決算会社で3月末に従業員賞与として未払計上し、実際の支給が翌期なる場合になりますが、法人税法上、損金算入(≒経費処理)時期は、下記の通りとなります。

1.原則
→実際に賞与を支給した事業年度で損金算入

2.例外
→次の要件を満たせば、通知をした事業年度(=未払計上した事業年度)で損金算入
➀支給額を各人別に、かつ、同時期に支給を受ける全ての従業員に対して通知をしていること
②その支給額につき➀の通知をした日の属する事業年度終了の日の翌日から1か月以内に賞与を支給すること
③その支給額につき➀の通知をした日の属する事業年度において損金経理(=費用処理)をしていること

関連サイト(使用人賞与の損金算入時期)
No.5350 使用人賞与の損金算入時期|国税庁 (nta.go.jp)

Ⅱ.未払計上した決算賞与に係る社会保険料の損金算入時期

上記Ⅰ.2で未払計上した決算賞与に対する社会保険料の損金算入時期は、決算賞与の損金算入時期と異なり、実際に賞与を支給した事業年度となります。つまり、 未払計上した決算賞与に係る社会保険料を未払計上しても、法人の支払債務が確定していないため、損金算入することができないことになります。

関連サイト(法人税基本通達9-3-2)
第3節 保険料等|国税庁 (nta.go.jp)

Ⅲ.まとめ

従業員に対し決算賞与を支給する場合の決算賞与の損金算入時期は、メジャーな論点であるため、認識されている方もいらっしゃいますが、社会保険料の損金算入時期は、盲点になることがあるので、注意する必要がございます。

※投稿日現在における情報・法令等に基づいて作成しております。

弊事務所では、神奈川以外のエリアでも情熱をもって対応いたします。

法人・個人の税務顧問のほか、相続税・贈与税・譲渡所得税の申告といった単発のご依頼もお受けしております。

報酬につきましては、税務顧問の場合は「売上規模」「ご訪問頻度」などに応じて、単発のご依頼の場合には「財産の規模・種類」「売却価格」などに応じて設定しております。

初回のご面談・報酬のお見積りは無料です。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です