ライセンス契約によるソフトウェア購入代金の税務上の取扱いとは!?

行政のデジタル化やデジタルトランスフォーメーション(DX)を進める観点から、令和3年9月1日にデジタル庁が創設され、今までアナログだったものがデジタルとなり、便利な世の中になることが期待されます。
また、会社でも今までアナログで作業していたものをデジタルへ移行する一環として、ライセンス契約でソフトウェアを購入する場合もあろうかと思います。

そこで、最近お問い合わせがありましたライセンス契約によるソフトウェアを購入した場合の法人税の取扱いについて、解説いたします。

 

Ⅰ.原則的な取扱い

ライセンス契約によるソフトウェアの購入代金は、無形固定資産として、原則5年間で減価償却(=経費処理)することになります。

 

Ⅱ.例外的な取扱い

法人税では、下記購入代金によって、上記Ⅰ原則的な処理ではなく、別の方法を選択することができます。

1.購入代金10万円未満の場合
→全額購入時に経費処理、又は、3年間で均等償却(いわゆる一括償却資産)
2.購入代金10万円以上20万円未満の場合
→3年間で均等償却(いわゆる一括償却資産)、又は、全額購入時に経費処理(※3)
3.購入代金20万円以上30万円未満の場合
→全額購入時に経費処理(※3)

※1 購入代金について、免税事業者や税込経理を選択している会社は税込金額で判定、税抜経理を選択している会社は税抜金額で判定となります。
※2 購入代金の他にソフトウェア導入関連費用が発生する場合には、原則その導入関連費用を含めた金額となります。
※3 上記2と3の全額購入時に経費処理することができる会社とは、青色申告の承認を受けている会社のうち、中小企業者等となります。
※4 上記2と3の全額購入時に経費処理することができる限度額は、300万円/年度単位で年換算となります。

関連サイト
No.5408 中小企業者等の少額減価償却資産の取得価額の損金算入の特例|国税庁 (nta.go.jp)
※中小企業者等の定義は2参照

 

Ⅲ.上記Ⅱの具体例

ライセンス契約によるソフトウェアをパソコンへインストールする場合の取扱いについて、下記ケース別で解説いたします。考え方は、パソコン1台当たりの金額判定となります。

例1)
・税抜経理処理
・ライセンス購入総額(税抜総額):300万円
・ライセンス数:60
→300万円÷60=5万円 額経費処理、又は、3年間で均等償却

例2)
・税抜経理処理
・ライセンス購入総額(税抜総額):300万円
・ライセンス数:30
→300万円÷30=10万円 ∴3年間で均等償却、又は、全額購入時に経費処理

例3)
・税抜経理処理
・ライセンス購入総額(税抜総額):300万円
・ライセンス数:15
→300万円÷15=20万円 ∴全額購入時に経費処理

例4)
・税抜経理処理
・ライセンス購入総額(税抜総額):400万円
・ライセンス数:20
→300万円÷20=20万円 限度額300万円までは全額購入時に経費処理、限度額300万円を超える100万円は無形固定資産として5年間で減価償却として経費処理

 

Ⅳ.まとめ

ライセンス契約によるソフトウェアを購入する場合で特に重要なことは、金額判定となりますので、請求書等の証票でしっかり確認する必要がございます。

※投稿日現在における情報・法令等に基づいて作成しております。

 

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