新型コロナウイルスの影響などにより、役員報酬を自主的に返納する場合の源泉税の取扱いは!?

新型コロナウイルスの影響による緊急事態宣言解除後、新型コロナウイルスの終息が見通せない中

・国や地方公共団体からの給付金や助成金の支援

・金融機関からの融資

で、何とか事業を継続している又は上記支援策を検討している会社も多いかと思います。

オーナー系企業では、資金を確保するため、オーナー個人が役員報酬を自主的に返納する場合もございます。

そこで、最近お問い合わせが多い役員報酬を自主的に返納する場合の源泉所得税の取扱いについて、解説したいと思います。

役員報酬そのものを減額する場合の取扱いは、下記お役立ち情報をご参照ください。

新型コロナウイルスの影響により役員報酬を減額することができるのか!?

https://okamatsu-tax.com/column/663/

 

Ⅰ.原則的な取扱い

法人の役員報酬が給与として確定する日は、契約又は慣習その他株主総会の決議等により支給日が定められている給与等であれば、原則、その支給日となりますので、支給の有無に関わらず、支給日に源泉徴収する必要がございます。

参考のため、所得税基本通達(36-9_給与所得の収入金額の収入すべき時期)では、下記の通り規定されております。

給与所得の収入金額の収入すべき時期は、それぞれ次に掲げる日によるものとする。

1.契約又は慣習その他株主総会の決議等により支給日が定められている給与等(次の2.に掲げるものを除く。)

その支給日(その日が定められていないものについてはその支給を受けた日)

2.役員に対する賞与のうち、株主総会の決議等によりその算定の基礎となる利益に関する指標の数値が確定し支給金額が定められるものその他利益を基礎として支給金額が定められるもの

その決議等があった日(ただし、その決議等が支給する金額の総額だけを定めるにとどまり、各人ごとの具体的な支給金額を定めていない場合には、各人ごとの支給金額が具体的に定められた日)

3.給与規程の改訂が既往にさかのぼって実施されたため既往の期間に対応して支払われる新旧給与の差額に相当する給与等で、その支給日が定められているもの

その支給日(その日が定められていないものについてはその改訂の効力が生じた日)

4.いわゆる認定賞与とされる給与等で、その支給日があらかじめ定められているもの

その支給日【その日が定められていないものについては現実にその支給を受けた日(その日が明らかでない場合には、その支給が行われたと認められる事業年度の終了の日)】

 

Ⅱ.例外的な取扱い_その1

上記Ⅰにより、支給日が到来している役員報酬は、原則、支給の有無に関わらず、支給日に源泉徴収する必要がございますが、その支給日が到来する前に役員報酬を自主的に返納する場合には、支給日が到来していないため、源泉徴収は不要となります。

参考のため、所得税基本通達(28-10_給与等の受領を辞退した場合)では、下記の通り規定されております。

給与等の支払を受けるべき者がその給与等の全部又は一部の受領を辞退した場合には、その支給期の到来に辞退の意思を明示して辞退したものに限り、課税しないものとする。

 

Ⅲ.例外的な取扱い_その2

支給日が到来している役員報酬について、支給日のに、役員報酬を自主的に返納した場合には、原則、源泉徴収の対象となりますが、会社の財務状況が悪い場合など下記例示の場合には、源泉徴収は不要となります。

1.当該法人が特別清算開始の命令を受けたこと

2.当該法人が破産手続開始の決定を受けたこと

3.当該法人が再生手続開始の決定を受けたこと

4.当該法人が更生手続の開始決定を受けたこと

5.当該法人が事業不振のため会社整理の状態に陥り、債権者集会等の協議決定により債務の切捨てを行ったこと

参考のため、所得税基本通達(181-223共-3_役員が未払賞与等の受領を辞退した場合)では、下記の通り規定されております。

役員が、次に掲げるような特殊な事情の下において、一般債権者の損失を軽減するためその立場上やむなく、自己が役員となっている法人から受けるべき賞与等その他の源泉徴収の対象となるもので未払のものの受領を辞退した場合には、当該辞退により支払わないこととなった部分については、源泉徴収をしなくて差し支えない。

1.当該法人が特別清算開始の命令を受けたこと。

2.当該法人が破産手続開始の決定を受けたこと。

3.当該法人が再生手続開始の決定を受けたこと。

4.当該法人が更生手続の開始決定を受けたこと。

5.当該法人が事業不振のため会社整理の状態に陥り、債権者集会等の協議決定により債務の切捨てを行ったこと。

 

Ⅳ.まとめ

新型コロナウイルスの影響により、役員報酬を自主的に返納する場合、ついつい資金繰りに目が行きがちですが、源泉税の取扱いについても注意しておかないと、税務調査で、ペナルティの税金を支払うことになるため、注意する必要がございます。

なお、役員報酬を自主的に返納することなく、役員報酬そのものを減額する場合の取扱いは、下記お役立ち情報をご参照ください。

新型コロナウイルスの影響により役員報酬を減額することができるのか!?

https://okamatsu-tax.com/column/663/

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