相続税申告ための未収家賃の取扱い。滞納中の賃料も相続財産になる!?

アパートマンション経営をしているオーナー様の不動産所得は、万が一賃料滞納があっても、本来受取るべき賃料をもとに(受け取っていない賃料も受け取ったとものとして処理=未収計上)計算しなければなりません。

上記は所得税の確定申告の内容となりますが、同様の問題が相続税申告においても発生いたします。

今回は、相続発生日において滞納となっている賃料(以下「未収家賃」とします)の相続税申告における取扱いについて整理いたします。

 

Ⅰ.未収家賃の相続税上の取扱い

1.支払期日までに支払われていなければ「未収家賃」

相続税申告上、未収家賃として相続財産に計上する必要があるのは、下記2つの要件を全て満たす家賃となります。

(1)死亡した日において既に支払期日が到来している

(2)死亡した日においてまだ支払われていない

 

ここで重要なのは、その家賃の支払期日」がいつなのかということになります。

ほとんどの不動産の賃貸借契約書では、家賃の支払方法は、

①当月分の家賃を当月末日までに支払う(後払方式)

②当月分の家賃を前月末日までに支払う(前払方式)  のいずれかの文言が記載されています。

これが「支払期日」であり、オーナーが家賃を受け取る権利は支払期日の到来によって確定いたします。

一般的な『②』前払い方式のケースでご説明しますと、たとえばオーナー様が10/10に亡くなった場合、もし既に支払期日(9/30)が到来している10月分の家賃が10/10時点で滞納状態であれば、この債権を「未収家賃」として相続財産に計上する必要ございます。

 

2.未収家賃の日割計算は行わない

上記の例で、『10/10時点では10/1~10/10までの10日間分の家賃だけが「未収家賃」になるのでは?』と考える人もいらっしゃるかもしれません。

所得税の準確定申告では、複式簿記による帳簿を付けている場合、10/1~10/10分を「未収家賃」として被相続人の収入に計上することになります

(複式簿記による帳簿を付けていなければ、10月分の家賃は全額収入計上)。

しかしながら、相続税申告ではこのような既経過分の家賃の日割り計算は行わず、10月分を全額「未収家賃」として相続財産に計上しなければなりません。

つまり、不動産所得の貸借対照表上の「未収家賃」と相続税申告書上の「未収家賃」は必ずしも一致しないということになります。

 

Ⅱ. 具体例

1.「当月分・当月末日支払」の場合

・家賃は当月分、当月末日払い

・相続発生日は11月20日

・11月25日に10月分+11月分の2ヶ月分家賃がまとめて入金

→上記の例では、死亡日時点で支払期日が到来しており、かつまだ入金されていない10月分の家賃を「未収家賃」として相続財産に計上することとなります。

一方、11/1~11/20分の既経過家賃については、被相続人の準確定申告では「未収家賃」として収入計上することとなりますが(複式簿記の場合)が、相続税申告では「未収家賃」とはなりませんのでご注意ください。

 

2.「当月分・前月末日支払」の場合

・家賃は当月分、前月末日払い

・相続発生日は11月20日

・11月25日に11月分+12月分の2ヶ月分家賃がまとめて入金

→上記の例では、死亡日時点で支払期日が到来しており、かつまだ入金されていない11月分の家賃を「未収家賃」として相続財産に計上します。

被相続人の準確定申告では11/1~11/20分の既経過家賃だけを「未収家賃」として収入計上します(複式簿記の場合)が、相続税申告上はあくまで11月分の家賃”全額”が「未収家賃」となりますのでご注意ください。

 

Ⅲ.総論

所得税と相続税では「未収家賃」の捉え方が異なりますので気を付ける論点となります。

ちなみに、賃貸借契約書に支払期日の記載がない場合賃貸借契約書が存在していない場合には、家賃の支払期日は民法のルールに従い当月分・当月末日支払」となります。

 

※ この記事は、投稿日現在における情報・法令等に基づいて作成しております。

 

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