個人事業主が行うべき4つの節税対策~メリット・デメリット

個人で商売をされている方(個人事業主)は、様々な節税策が存在する法人とは違い、節税策が限られております。

ですので、無駄な経費を使う前にまずは下記4つを検討してみることをお勧めします。

 

Ⅰ. 国民年金基金

1.制度の仕組み

国民年金基金とは、個人事業主などの国民年金の第1号被保険者が通常の国民年金(老齢基礎年金)に上乗せした年金を受け取ることのできる公的な個人年金制度となります。

掛金は68,000円/月が上限となっています。(iDeCoにも加入している場合は、iDeCoの掛金と合わせて68,000円/月が上限)

2.税務上の取扱い

国民年金基金の掛金は全額が『社会保険料控除』として所得から控除されるため、「掛金×(所得税率+住民税率)」分の節税効果が生じます。

3.メリット

(1)掛金が全額所得控除となる

(2)受取った年金は雑所得として的年金等控除が受けられる

(3)終身型は亡くなるまで一生涯受け取れるため、長生きした場合のリスクに備えることができる

(4)死亡により遺族が受け取った一時金は相続税が非課税となる

4.デメリット

(1)任意で解約(脱退)することができない

(2)付加年金と同時に加入することができない

(3)給付額が確定しているためインフレに対応できない

 

Ⅱ. 個人型確定拠出年金(iDeCo)

1.制度の仕組み

個人型確定拠出年金(iDeCo)とは、加入者が毎月一定額を拠出し、自ら金融商品を選択・運用したうえで、60歳以降に年金又は一時金を受け取ることのできる制度となります。

国民年金第1号被保険者の場合、掛金は68,000円/月が上限となっています。(国民年金基金にも加入している場合は、国民年金基金の掛金と合わせて68,000円/月が上限)

2.税務上の取扱い

iDeCoの掛金は全額が『小規模企業共済等掛金控除』として所得から控除されるため、「掛金×(所得税率+住民税率)」分の節税効果が生じます。

3.メリット

(1)掛金が全額所得控除となる

(2)受取った年金は雑所得として公的年金等控除が受けられる

(3)受取った一時金は退職所得として退職所得控除が受けられる

(4)死亡により相続人が受け取った一時金はみなし相続財産として相続税の課税対象となるが、死亡退職金の非課税枠(500万円×法定相続人の数)が使える

(5)運用期間中の運用益(利息、分配金、売却益)は非課税

4.デメリット

(1)原則として60歳まで引き出すことができない

(2)運用状況によっては資産が減少する可能性がある

(3)口座管理などの管理手数料がかかる

 

Ⅲ. 中小企業倒産防止共済(経営セーフティ共済)

1.制度の仕組み

中小企業倒産防止共済(経営セーフティ共済)とは、個人事業主や中小企業が取引先の倒産により売掛債権を回収できなくなった場合に一定額までの貸付けが受けられる共済制度となります。

掛金は200,000円/月が上限となっています。

なお、前述の3つの制度は「廃業後・老後への備え」という名目で加入するものとなりますが、こちらは制度の趣旨が異なります。

2.税務上の取扱い

中小企業倒産防止共済の掛金は全額が事業所得の必要経費として収入から控除されるため、「掛金×(所得税率+住民税率)」分の節税効果が生じます。

3.メリット

(1)掛金が全額必要経費となる

(2)取引先の倒産後、すぐに借入が受けられる

4.デメリット

(1)個人の不動産賃貸業の場合は加入できない

(2)掛金納付月数が40ヵ月未満の場合、解約すると元本割れする

(3)最大で800万円までしか掛金を拠出することができない

(4)解約時は全額が事業所得の収入となる(利益の繰り延べ)

 

Ⅳ. 小規模企業共済

1.制度の仕組み

小規模企業共済とは、個人事業主や小規模法人の役員が毎月一定額を積み立て、廃業・退職時に一括もしくは分割で共済金を受け取ることのできる退職金制度となります。

掛金は70,000円/月が上限となっています。

2.税務上の取扱い

小規模企業共済の掛金は全額が『小規模企業共済等掛金控除』として所得から控除されるため、「掛金×(所得税率+住民税率)」分の節税効果が生じます。

3.メリット

(1)掛金が全額所得控除となる

(2)分割共済金は雑所得として公的年金等控除が受けられる

(3)一括受取り共済金は退職所得として退職所得控除が受けられる

(4)死亡により相続人が受け取った共済金はみなし相続財産として相続税の課税対象となるが、死亡退職金の非課税枠(500万円×法定相続人の数)が使える

4.デメリット

(1)掛金納付月数が240ヵ月未満の場合、解約すると元本割れする

(2)給付額が確定しているためインフレに対応できない

 

Ⅴ.まとめ

ケースバイケースとなりますが、もし節税対策の優先順位を考えると以下の順番で加入することがよいでしょう。

  1. 小規模企業共済
  2. 国民年金基金とiDeCo(あわせて月68,000円まで)

※どちらに加入するか(両方加入する場合は掛金の配分をどうするか)かはご本人の考え方により異なります。

3.中小企業倒産防止共済

 

※投稿日現在における情報・法令等に基づいて作成しております。

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